歌心名曲選

天童よしみ( 天童芳美 ) 歌心名曲選歌詞
1.一本刀土俵入り

作詞:藤田まさと
作曲:春川一夫

千両万両 積んだとて
銭じゃ買えない 人ごころ
受けた情の 数々に
上州子鴉 泣いて居ります
泣いて居ります この通り

「わしゃア姐さんのようないい人に、
めぐり逢ったのは初めてだ、はい、はい、きっと成ります。
横綱になった姿を姐さんに見て貰います。
そしてなア、わしゃ、死んだおっ母さんの御墓の前で
立派な土俵入りがしたい……。」

野暮な浮世の うら表
教えこまれて 一昔
夢でござんす なにもかも
角力(すもう)修業も 今じゃ日蔭の
今じゃ日蔭の 三度笠

「角力にゃなれず、やくざになって尋ねて見りゃこの始末。
さァ、姐さん、この金持って、早くお行きなせえまし。
飛ぶにぁ今が汐時だ。後はあっしが引受けました。
さァ、早く早く行きなさいまし。ああ、もし、お蔦さん。
親子三人、何時までも仲良く御暮しなさんせ。
十年前に 櫛、笄(こうがい)、巾着ぐるみ、意見を貰った姐はんへ、
せめて見て貰う駒形のしがねぇ姿の土俵入りでござんす。」

御恩返しの 真似ごとは
取手宿場の 仁義沙汰
御覧下され お蔦さん
せめて茂兵衛の 花の手数(でず)入り
花の手数入り 土俵入り


2.津軽平野


3.浅草姉妹


4.女侠一代


5.白樺に涙あり


6.夕焼け雲


7.いっぽんどっこの唄


8.船方さんょ


9.さらば涙と言おう


10.花嫁


11.時の過ぎゆくままに


12.シクラメンのかほり

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

真綿色した シクラメンほど
清(すが)しいものはない
出逢いの時の 君のようです
ためらいがちに かけた言葉に
驚いたように ふりむく君に
季節が頬をそめて 過ぎてゆきました

うす紅色の シクラメンほど
まぶしいものはない
恋する時の 君のようです
木もれ陽あびた 君を抱(いだ)けば
淋しささえも おきざりにして
愛がいつのまにか 歩き始めました
疲れを知らない子供のように
時が二人を追い越してゆく
呼び戻すことができるなら
僕は何を惜しむだろう

うす紫の シクラメンほど
淋しいものはない
後ろ姿の 君のようです
暮れ惑う街の 別れ道には
シクラメンのかほり むなしくゆれて
季節が知らん顔して 過ぎてゆきました
疲れを知らない子供のように
時が二人を追い越してゆく
呼び戻すことができるなら
僕は何を惜しむだろう


13.我が良き友よ

作詞:吉田拓郎
作曲:吉田拓郎

下駄をならして奴がくる
腰に手ぬぐいぶらさげて
学生服にしみこんだ
男の臭いがやってくる
アー夢よ よき友よ
おまえ今頃どの空の下で
俺とおんなじあの星みつめて何想う

可愛いあの娘に声かけられて
頬をそめてたうぶな奴
語りあかせば下宿屋の
おばさん酒持ってやってくる
アー恋よ よき友よ
俺は今でもこの町に住んで
女房、子供に手を焼きながらも生きている

男らしさと人が言う
おまえの顔が目に浮かぶ
力ずくだと言いながら
女郎屋通いを自慢する
アー夢よ よき友よ
時の流れをうらむじゃないぞ
男らしいはやさしいことだと言ってくれ

家庭教師のガラじゃない
金のためだと言いながら
子供相手に人の道
人生などを説く男
アー夢よ よき友よ
便りしたため探してみたけど
暑中見舞が返ってきたのは秋だった

古き時代と人が言う
今も昔と俺は言う
バンカラなどと口走る
古き言葉と悔やみつつ
アー友と よき酒を
時を憂いて飲みあかしたい
今も昔もこの酒つげば心地よし

学生たちが通りゆく
あいつ程ではないにしろ
まじめなのさと言いたげに
肩で風切って飛んでゆく
アー友よ よき奴よ
今の暮らしにあきたら二人で
夢をかかえて旅でもしないかあの頃へ


14.旅の宿


15.黄昏のビギン


16.テネシー・ワルツ